「何歳から始めればいいの?」―この質問に、一つの答えはありません。お子さんの歯の状態によって、適したタイミングが変わるからです。
「なんとなく気になってきた」―その感覚が来院のサインです。
医師である私たちが一番避けたいのは、治療で介入できる時期を過ぎてからの来院です。早すぎて損をすることはありません。「少し早いかな」の段階でも、その時点の状態を診てタイミングを判断してもらえます。
下の歯が上の歯より前に出ている状態。他の歯ならびとは異なり、3歳ごろから始めると簡単な装置で短期間に改善できる場合があります。治療が長期化しやすいため、早めの受診を。「まだ乳歯だから」と様子を見がちですが、早めの受診が大きな問題を防ぐことがあります。
ガタガタ・すきっ歯・出っ歯など。永久歯が生え始める6歳前後が目安です。「6歳で必ず」ではなく、気になった時点で相談を。「まだ早いね」となれば半年後に再確認を。開始時期は矯正医が判断するので、「早すぎるかな」と遠慮する必要はありません。
「子どもの矯正」と聞くと中学生・高校生も含まれると思われがちですが、矯正治療の観点では少し異なります。なぜ小3(9歳)ごろが境目になるのか―その理由は、第2章でお伝えします。
「何年かかりますか」という質問はとても自然なものです。目安としての期間はお伝えできますが、実際には患者さんごとの骨格・生活習慣・成長の違いによって、年単位で前後することがあります。
大切なのは、期間そのものよりも「歯の状態が治療の完成に達しているかどうか」です。その点を事前に理解しておくと、医師が考えている治療終了のタイミングと認識のずれが生じにくくなります。